2012年10月18日

【Tim Christensen And The Damn Crystals】ライヴレポート② 2012年10月6日(土) 川崎公演 CLUB CITTA'川崎

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"Tim Christensenの廃盤になっていた1st、2ndが廉価版で再発(初回限定)!詳細はこちら"

日本ツアー2日目は、Dizzy最後の地となったCLUB CITTA'川崎である。この会場を見るだけであの思い出が鮮烈に蘇ってくるファンも多いはずだ。バンドもスタッフも一層気合が入っているに違いない。チケット販売後にアコースティックセットが追加されることが発表され、これもまた楽しみである。結局この日も当日券で2階席まで開放するほど満員に。指定席になったのはソフトな楽曲が多いからではなく、会場の大きさと動員見込みの関係からと聞いている。

定刻になるとピンスポットに照らされてTimがアコギを抱えて登場。中盤やアンコールでやると思っていたアコースティックセットを冒頭に持ってきたのだ。よくよく流れを考えるとこれは正解だ。徐々に盛り上げていく展開。やはりTimのほうが一枚上手である。そんなちょっとした驚きとともに新作から「Never Be One Until We're Two」でスタート。Timが「アコースティックなので座っていいよ」と言うもののほとんどの観客は立ったままクギ付けである。なかなか珍しい光景だ。2ndのボーナストラック「How Far You Go」と続き、Dizzyの曲を上手くアレンジした「Barbedwired Baby's Dream」が素晴らしかった。3rdからのレアなボーナストラックの「Sooner Or Lator」も抜群に美しさである。改めてTimの声とギターの魅力を確認できたのではないだろうか。自然とDizzyでソロ2曲をプレイしたシーンと重なった。

ここでいよいよバンドもステージに現れて「Surfing The Surface」。一気に音が会場いっぱいに広がった。「Superior」、「India」、「Wiser」、「Love Is a Matter of...」という流れは昨日の大阪とほぼ同じである。次は新作のタイトルチューンでありバンド名である11分の大作「The Damn Crystals」。印象的なリフが流れると大歓声が上がる。中盤でもダレることなく激しい終盤へ。この曲の持つライブでの威力は想像以上だった。「Happy Ever After」、「Suprise Me」と新作からロックチューンで盛り上げ続け、本編最後に何が来るかと思えばDizzyでも抜群のキラーチューン「Waterline」。本国では「Silverflame」と並んでダントツ人気だ。椅子が邪魔をしたのかDMLの公演と比べると少し観客のノリが大人しかったように思う。それでも十分に盛り上がった痛快なラストであった。Dizzyにはないへヴィーなグルーヴが新鮮だった。

アンコールは「Right Next To The Right One」。大阪と同じくアコギだけで披露した。
続くはカバーの「Live and Let Die」だが、この曲はメンバーは本当に楽しそうに演奏するのでこちらも思わず笑顔になってしまう。今後は定番になる可能性も感じた。

曲が終わり照明が落ちると、メンバーが下を向いて動かなくなった。スポットに照らされたクリストファーのピアノの調べだけが響く。まるで死んでしまった他のメンバーを弔っているような悲しい旋律。やがて墓場から這い上がってくるゾンビのように弦楽器隊が怪し気な音階を奏で始める。巨大なモンスターの足音のようなドン!ドン!というドラムの重低音が体を貫く。まるで密教の儀式のような邪悪な空気が場を支配した。眼に見えない何かに恐怖しているのか、悪寒のようなものを全身に感じながら、オーケストレーションが入った瞬間に確信した。
ついにあの曲が聴ける!
「Caterpillar」だ!

震えと涙が止まらず意識が遠のきそうになる。思わず前の席に手をかけて必死で持ち堪えていると、Timの歌とそのリフレインが聴こえてきた。ステージとフロアが月面と化し、そこから果てしない宇宙空間に向かって呼びかけているような光景だった。その後はもう身を任せるのみで完全にハイな状態になっていた。そして気が付くともう曲は終わっていた。全身を襲う倦怠感。せいぜい8分程度の曲であるが、宇宙の果てまで何光年も旅をして戻ってきたような気分になった。もはや、溜息しか出ない。アンコール最後の「Whispering At The Top Of My Lungs」という素晴らしい曲も、魂を抜かれたようにボーっとした感覚で聴いていた。

今日のライヴは、特別な前半のアコースティックセットもレアな曲が聴けて素晴らしかったし、新作のタイトルトラック「The Damn Crystals」もすごく盛り上がった。重厚な「Waterline」が聴けたのもラッキーだ。しかし、それらさえも遥か彼方に吹っ飛ばしてしまったのが「Caterpillar」の1曲だった。最近はほとんど演奏していない幻の曲となっていたが、事前にファンサイトでの行った人気投票で1位になったり、TimのFacebookでもリクエストが多かったので、特別に披露してくれたのである。ファンを大切にするTimらしい。

しかし、別の意味もある。実は、1st収録のこの曲は深い因縁がある。Dizzyの幻の3rdに収録するつもりで作った曲の一つで、あまりに挑戦的な曲なため他のメンバーに反対され、それをきかっけにDizzyが解散への道を転がり落ちていったのだ。いわば負の象徴であり、歌詞も陰鬱である。実際、この曲だけはTimの憎悪の感情が渦巻いているのを感じた。明らかに異質なのはそのためか。これをDizzyが葬られたこの地で、新しいメンバーとともに演奏した意義は、あまりにも大きい。

つまり、Tim Christensenというナイーヴな少年が、時間をかけて自らの傷付いた心身を音楽によって修復し、やがてタフな大人の男となり、かつて対立した盟友と和解し、また新たな仲間の力を借りて生まれ変わったことの証明に他ならない。Timのドラマティックな人生の縮図、ファンタスティックな音楽センスの結晶が、この1曲にあると言っても過言ではないだろう。次はいつ聴けるかわからないが、今はこの曲をこの場所で聴けたことを、ただただ幸せに思うだけである。ちなみに、Dizzyの成功から挫折、解散からソロ再始動にいたる真実は、Dizzyの再結成ライヴCD+DVD「Live In Concert」のボーナスフィルム「Lost Inside Dream」に記録されている。メンバーや関係者の貴重なインタビューは衝撃を受ける内容も多い。これを見れば、Dizzy再結成やソロ初来日がさらに深いレベルで感動できるであろう。ファンは必見だ。

私の頭の片隅では、いまでも「Caterpillar」が繰り返し鳴り続けている。
この「毛虫」がなかなか追い出せない。
困ったような、でも嬉しいような、そんな複雑な気分だ。

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◆SETLIST
1. Never Be One Until We're Two
2. How Far You Go
3. Barbedwired Baby's Dream (Dizzy Mizz Lizzy song)
4. Sooner Or Lator
-----------------------------------------
5. Surfing The Surface
6. Superior
7. India
8. Wiser
9. Love Is a Matter of...
11. The Damn Crystals
12. Happy Ever After
13. Suprise Me
14. Waterline (Dizzy Mizz Lizzy song)
-----------------------------------------
15. Right Next To The Right One
16. Live and Let Die (Paul McCarteny & Wings cover)
17. Caterpillar
18. Whispering At The Top Of My Lungs

※次回は最終日、東京SHIBUYA-BOXXでのライヴレポートを掲載します。お楽しみに!


CLUB CITTA' PRESENTS
「TOUR 2012」

ティム・クリステンセン&
ザ・ダム・クリスタルズ 
from デンマーク

2012年
10月5日(金)
会場:心斎橋soma
OPEN 18:00 / START 19:00
【オールスタンディング】
◆主催:ミューベンツ・ジャパン
◆INFO:Kyodo Information 06-7732-8888

10月6日(土)
会場:CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 18:00
【全席指定】600席特別限定
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

10月7日(日)THANK YOU SOLD OUT!!
会場:SHIBUYA-BOXX
OPEN 16:00 / START 17:00
【オールスタンディング】
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

前売:¥ 6,000-(税込)
※入場の際にドリンク代\500が必要となります。

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Superior - 'Tim Christensen'

Whispering At The Top Of My Lungs - 'Tim Christensen'

2012年10月16日

【Tim Christensen And The Damn Crystals】ライヴレポート① 2012年10月5日(金) 大阪公演 心斎橋soma

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"Tim Christensenの廃盤になっていた1st、2ndが廉価版で再発(初回限定)!詳細はこちら"

「そうか、今日はJobsの1周忌か…」。心斎橋の光り輝くリンゴの下を通ってから気がついた。信者にとっては神と呼ばれるほどの偉大な人物であるが、私にとっての神は別にいる。ポケットから使い慣れたiPhoneを出して時刻を見ると「17:50」。やばい、開場まであと10分しかない!早く神に会いに行かねば。イヤホンからは「Tim Christensen - Jump The Gun」が流れてきた。どうやらiPhoneには人の心まで読む機能もあったらしい。Jobs、あなたは神でないが天才に違いない。

いかがわしい客引きを避けつつ、少し危険な香りのする夜の路地を進むと、目的のsomaが現れた。キャパは300以下なので驚くほど小さい。一番後ろでも間近にバンドを感じられる箱である。この空間で最初のライヴが楽しめるのはなんとも贅沢だ。チケットはソールドアウトにこそならなかったが開演前にはほぼ満員の状態となった。これならバンドもテンションが上がるだろう。DMLの時もそうだったが、関西ならではの熱々のタコヤキのようなノリに期待したい。

定刻から数分過ぎて会場は暗転。メンバーがバラバラと狭いステージに上がると、1stからの「Time Is The Space Between Us」で幕を開けた。ヒネリのあるリフがTimらしいロックな曲だ。サビではベースのSorenの見事なコーラスが重なる。観客ももちろん合唱で応える。間を空けずに2曲目の「Jump The Gun」へ。CD同様にエンジン全開。アップテンポな曲に会場も一気に盛り上がる。今度のコーラスはギターのLarsだ。クリアな声質のSorenと違って荒々しい声が曲にマッチしている。会場が熱気で溢れてきてメンバーはすでに汗だく。キーボードのChristpherは早くもジャケットを脱いだ。

新作からの第2弾ビデオとなった「Far Beyond Driven」は珍しいブルーステイストの曲。ルーズなノリに身を任せるのが気持ちいい。次はようやく日本発売となったばかりの3rdからタイトルトラックの「Superior」で観客に歌わせるパートもあった。ここで聴き慣れたイントロが流れると大きな歓声が上がる。「Love Is A Loser's Game」はもちろんDizzy Mizz Lizzyの名曲だ。『~Till The Very End』の部分はお約束の大合唱になる。Timは満足げな笑みを浮かべ、どうだ!とばかりにメンバーを見た。SorenのベースソロはDizzyとはわずかに違っていてこだわりを感じた。

再びソロに戻り「Isolation Here I Come」。終盤はギターのLarsがアドリブのソロをバッチリと決める。続いて新作から人気の「Wiser」。ソロのトレモロ演奏や終盤の弾きまくりでLarsの見せ場がくる。一見渋いが時には激しくプレイする姿がカッコイイ。彼は必ず人気がもっと上がるだろう。アルバムとは違う入り方の「India」はリードギターが鳴るとすぐ歓声が上がる。お得意のマイナーメロディが秀逸な名曲だ。これを待ち望んでいたファンも多いだろう。Dizzyのグランドフィナーレでも披露した1stからのアコースティックバラード「Love Is a Matter of...」はいつ聴いても完璧である。今回はバンドもいたのでCDに近い演奏となった。

新作から人気の「Happy Ever After」は中盤からのハードな盛り上がりに観客も大興奮した。ドラムのJesperが力強いリズムを叩き、ベースのSorenが手拍子を要求、「Suprise Me」が始まる。これも今のバンドを象徴するライヴ向きの1曲だ。サビ前ではメンバーが楽しそうにピョンピョンと跳ねる。観客が少し遠慮がちだったのは残念だ。さらにロックな曲で畳み掛けてくる。1stから「Get The Fuck Out Of My Mind」だ。アルバムより速いテンポに会場のテンションは最高潮に。メンバーもみんな動きが激しくなり特にSorenは笑えるほど跳ね回っていた。彼はじっとしているとイケメンだが実はお茶目キャラであることが判明した。フロントの2人はステージアクションの面でもかなり貢献していた。そのまま「Screaming At The Top of My Lungs」へと繋いで、本編最後はDizzyの「Silverflame」で美しく締めた。

アンコールは母国でTVドラマ主題歌となり、さらにはセリーヌ・ディオンにもカバーされた有名曲「Right Next To The Right One」から。あまりに有名なので一時は封印したというが、日本は初来日なのでプレイしてくれたのだろう。アコギ版だったのでピアニカソロがないのは少し物足りなかった。続いてはジョン・レノンに捧げた「11:07 PM」。これもDizzy時代の名曲だ。次もまたThe Beatlesつながりで「Live and Let Die 」。Paul McCarteny & Wingsのカバーである。映画007の主題歌だし、G N'Rのカバーでもお馴染みだ。元々はPaul生誕70周年ライブのためにカバーした曲である。SorenとLarsが一本のマイクで顔を寄せ合って歌ったのが微笑ましかった。

アンコール最後はドラマティックな「Whispering At The Top Of My Lungs」で盛り上がった。Timのメロディーメイカーの才能を凝縮した1曲だ。これであっという間に濃厚な90分が終了。メンバーはステージから一段上がり、肩を組んでお辞儀をして去っていった。彼ら表情は驚きと嬉しさでいっぱいだったし、観客の拍手もなかなか鳴り止まなかった。

率直な感想としては、1曲目のチョイスからわかるように予想以上にロックしているということ。そして、Timはもちろんメンバーの演奏力が高いだけでなく、コーラスや観客とのコミュニケーションがとても高い次元で実現されていたことに驚いた。Dizzyにはないものが確かにあった。結果として会場の一体感や雰囲気が抜群に良い。単純に盛り上がるのではなく、どこかアットホームというか温かいライヴだった。バンドとファン、それぞれが自然とお互いを高め合ったからだろう。セットリストはソロからDizzyからカバーまで幅広くセレクトされていて満足度は非常に高い。まだ聴きたい名曲はたくさんあるのだが、とにかくTimがTwitterで発言したように完璧なスタートを切ったと言って良い。あと2日もセットリストを変えてくるというので期待は高まるばかりだ。

ライヴ後にはTim愛に溢れるファンたちと大阪名物の串カツとビールを堪能。Timのおかげでただでさえ美味しいものがさらに美味しくなった。Dizzyの再結成ライブの時も感じたが、大阪はとても熱いし、フレンドリーな雰囲気があって好きだ。ライヴ動員が減ってきているというが、次回もなんとか大阪でもライヴを見たいものである。

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"幻の名盤が10/31に再発売!Tim Christensen / Honeyburst 初回限定生産 詳細はこちら"

◆SETLIST
1. Time Is The Space Between Us
2. Jump The Gun
3. Far Beyond Driven
4. Superior
5. Love Is A Loser's Game (Dizzy Mizz Lizzy song)
6. Isolation Here I Come
7. Wiser
8. India
9. Love Is a Matter of...
10.. Happy Ever After
11. Suprise Me
12. Get The Fuck Out Of My Mind
   / Screaming At The Top of My Lungs
13. Silverflame (Dizzy Mizz Lizzy song)
-----------------------------------------
14. Right Next To The Right One
15. 11:07 PM (Dizzy Mizz Lizzy song)
16. Live and Let Die (Paul McCarteny & Wings cover)
17. Whispering At The Top Of My Lungs

※次回は来日公演2日目、CLUB CITTA'川崎でのライヴレポートを掲載します。お楽しみに!


CLUB CITTA' PRESENTS
「TOUR 2012」

ティム・クリステンセン&
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2012年
10月5日(金)
会場:心斎橋soma
OPEN 18:00 / START 19:00
【オールスタンディング】
◆主催:ミューベンツ・ジャパン
◆INFO:Kyodo Information 06-7732-8888

10月6日(土)
会場:CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 18:00
【全席指定】600席特別限定
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

10月7日(日)THANK YOU SOLD OUT!!
会場:SHIBUYA-BOXX
OPEN 16:00 / START 17:00
【オールスタンディング】
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

前売:¥ 6,000-(税込)
※入場の際にドリンク代\500が必要となります。

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Far Beyond Driven - 'Tim Christensen & The Damn Crystals'

Happy Ever After (tour rehearsal January 2012) - 'Tim Christensen & The Damn Crystals'

2012年10月15日

【Tim Christensen And The Damn Crystals】ソロ初来日実現までの舞台裏

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どうやらTim Christensenにとって暑さの落ち着き始めるこの時期は以前から重要な動きが多いようだ。彼の儚げで物哀しいメロディーも真夏よりは初秋がお似合いでもある。 

今からちょうど2年前の2010年9月29日、Timの敬愛するジョン・レノンのミュージアムの閉館より1日早く、期間限定再結成のDizzy Mizz Lizzyが、聖地CLUB CITTA'川崎にてグランドフィナーレを迎えた。もはや言葉も出ないほど見事な大往生だったわけだが、そこで演奏された「Surfing The Surface」と「Love Is A Matter Of ...」というソロ作品からの2曲が未来への希望の種となった。

実は、5月の1回目の公演から時期が近かった為、関係者からは違う曲の演奏も要望されていたらしい。しかしTimは、日本だけ違う曲を組み込むには時間が足りないし、完成されたショウの流れが変わってしまうことを懸念した。また、自身のソロ曲を入れるとすれば、他の2人のメンバーにも失礼だと考え、1回目と同じ内容で行うと決めていたという。
しかしその一方で、Timは今のツアーバンド(後のThe Damn Crystals)がとても素晴らしいので、なんとか日本でもソロ公演を実現したい気持ちもあった。ここでもしソロ曲を披露して反応が良ければ来日実現に近づくかもしれない。そのTimの心の葛藤を感じ取ったMartinとSorenの2人がTimの背中を押したという。3人も歳を重ね、大人になったということだろう。一度壊れてしまった絆は、より強く結び付いていたのだ。再結成が大成功した理由はこの辺にもある。

その後、11月にDML再結成ツアーを総括したCD+DVDが発売され、ファンが余韻に浸っている中、年明けの1月末にいよいよTimたちはスタジオ入り。

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しかし、日本ではとんでもない事態が起こる。3月11日の東日本大震災。特に直接的な被害に遭われた方々は音楽どころではなかったはずだが、震災後すぐにTimから届いた心配と励ましのメッセージに勇気付けられた人もいたのではないだろうか。Tim「My heart goes out to all my dear friends in Japan.」。放射能の問題もあり来日を避けたいと考えたアーティストは何人もいたが、Timはむしろ来日したいという想いが強くなったかもしれない。改めてTimの日本のファンへの愛情を感じるエピソードである。

いよいよ8月末に新作は11月発売とのアナウンスがされ、10月には先行シングルの「Surprise Me」が公開。前作になかったダイナミックなロックチューンに期待が高まる。この頃にはすでにバンドは「The Damn Crystals」と命名されていた。「いまいましい⇔結晶」つまり「完璧なものなどない」ということを象徴していると言う。バンドとのコラボレーションを通して、孤独な完璧主義者からの脱却を図るTimには相応しい名前である。

11月25日についに新作が本国デンマークで発売となる。中でもタイトルトラックは11分もある圧巻の構成で、しかも1曲目にもってきてしまうあたりはセールス的には無謀な自殺行為とも取れるが、作品の質を重視する彼らしい勇気ある選択だ。デンマークのiTunesStoreでは見事に2週連続の1位を獲得したが、この時点で日本盤は発売未定。しかし、その裏で日本からの注文がレーベルに殺到していたという。そして日本の某輸入盤店では2011年で1位の売り上げを記録した。希望の種は着実に芽を出し始めていた。

バンドはいよいよ1月下旬からツアー開始。2月には喉の不調で延期した公演もあったがほぼ順調にこなしていく。国外ではオランダ公演も決定。

3月に入り突然、日本盤と来日公演に関する記事が掲載され、その後、5/23にアルバム発売決定、そして、4月下旬に来日が正式に発表!日本盤は発売されると洋楽チャート7位に登場という快挙を達成!来日チケットも渋谷公演が即日完売する人気ぶり。さらに来日記念盤として未発売だった名作の3rdもようやく発売となった。

夏場のフェス出演、9月末に初のグリーンランド公演を終えて、バンドはついに日本へと降り立った。いよいよTim Christensen And The Damn Crystalsの日本ツアーがスタート!果たして2年前に植えた種はどのような花を咲かせるのか、期待せずにはいられない!

※次回は来日公演初日、大阪心斎橋somaでのライヴレポートを掲載します。お楽しみに!


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2012年
10月5日(金)
会場:心斎橋soma
OPEN 18:00 / START 19:00
【オールスタンディング】
◆主催:ミューベンツ・ジャパン
◆INFO:Kyodo Information 06-7732-8888

10月6日(土)
会場:CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 18:00
【全席指定】600席特別限定
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

10月7日(日)THANK YOU SOLD OUT!!
会場:SHIBUYA-BOXX
OPEN 16:00 / START 17:00
【オールスタンディング】
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
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前売:¥ 6,000-(税込)
※入場の際にドリンク代\500が必要となります。

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Surprise Me - 'Tim Christensen & The Damn Crystals'

Wiser (Acoustic) - 'Tim Christensen & The Damn Crystals'