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【Tim Christensen And The Damn Crystals】ライヴレポート② 2012年10月6日(土) 川崎公演 CLUB CITTA'川崎

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日本ツアー2日目は、Dizzy最後の地となったCLUB CITTA'川崎である。この会場を見るだけであの思い出が鮮烈に蘇ってくるファンも多いはずだ。バンドもスタッフも一層気合が入っているに違いない。チケット販売後にアコースティックセットが追加されることが発表され、これもまた楽しみである。結局この日も当日券で2階席まで開放するほど満員に。指定席になったのはソフトな楽曲が多いからではなく、会場の大きさと動員見込みの関係からと聞いている。

定刻になるとピンスポットに照らされてTimがアコギを抱えて登場。中盤やアンコールでやると思っていたアコースティックセットを冒頭に持ってきたのだ。よくよく流れを考えるとこれは正解だ。徐々に盛り上げていく展開。やはりTimのほうが一枚上手である。そんなちょっとした驚きとともに新作から「Never Be One Until We're Two」でスタート。Timが「アコースティックなので座っていいよ」と言うもののほとんどの観客は立ったままクギ付けである。なかなか珍しい光景だ。2ndのボーナストラック「How Far You Go」と続き、Dizzyの曲を上手くアレンジした「Barbedwired Baby's Dream」が素晴らしかった。3rdからのレアなボーナストラックの「Sooner Or Lator」も抜群に美しさである。改めてTimの声とギターの魅力を確認できたのではないだろうか。自然とDizzyでソロ2曲をプレイしたシーンと重なった。

ここでいよいよバンドもステージに現れて「Surfing The Surface」。一気に音が会場いっぱいに広がった。「Superior」、「India」、「Wiser」、「Love Is a Matter of...」という流れは昨日の大阪とほぼ同じである。次は新作のタイトルチューンでありバンド名である11分の大作「The Damn Crystals」。印象的なリフが流れると大歓声が上がる。中盤でもダレることなく激しい終盤へ。この曲の持つライブでの威力は想像以上だった。「Happy Ever After」、「Suprise Me」と新作からロックチューンで盛り上げ続け、本編最後に何が来るかと思えばDizzyでも抜群のキラーチューン「Waterline」。本国では「Silverflame」と並んでダントツ人気だ。椅子が邪魔をしたのかDMLの公演と比べると少し観客のノリが大人しかったように思う。それでも十分に盛り上がった痛快なラストであった。Dizzyにはないへヴィーなグルーヴが新鮮だった。

アンコールは「Right Next To The Right One」。大阪と同じくアコギだけで披露した。
続くはカバーの「Live and Let Die」だが、この曲はメンバーは本当に楽しそうに演奏するのでこちらも思わず笑顔になってしまう。今後は定番になる可能性も感じた。

曲が終わり照明が落ちると、メンバーが下を向いて動かなくなった。スポットに照らされたクリストファーのピアノの調べだけが響く。まるで死んでしまった他のメンバーを弔っているような悲しい旋律。やがて墓場から這い上がってくるゾンビのように弦楽器隊が怪し気な音階を奏で始める。巨大なモンスターの足音のようなドン!ドン!というドラムの重低音が体を貫く。まるで密教の儀式のような邪悪な空気が場を支配した。眼に見えない何かに恐怖しているのか、悪寒のようなものを全身に感じながら、オーケストレーションが入った瞬間に確信した。
ついにあの曲が聴ける!
「Caterpillar」だ!

震えと涙が止まらず意識が遠のきそうになる。思わず前の席に手をかけて必死で持ち堪えていると、Timの歌とそのリフレインが聴こえてきた。ステージとフロアが月面と化し、そこから果てしない宇宙空間に向かって呼びかけているような光景だった。その後はもう身を任せるのみで完全にハイな状態になっていた。そして気が付くともう曲は終わっていた。全身を襲う倦怠感。せいぜい8分程度の曲であるが、宇宙の果てまで何光年も旅をして戻ってきたような気分になった。もはや、溜息しか出ない。アンコール最後の「Whispering At The Top Of My Lungs」という素晴らしい曲も、魂を抜かれたようにボーっとした感覚で聴いていた。

今日のライヴは、特別な前半のアコースティックセットもレアな曲が聴けて素晴らしかったし、新作のタイトルトラック「The Damn Crystals」もすごく盛り上がった。重厚な「Waterline」が聴けたのもラッキーだ。しかし、それらさえも遥か彼方に吹っ飛ばしてしまったのが「Caterpillar」の1曲だった。最近はほとんど演奏していない幻の曲となっていたが、事前にファンサイトでの行った人気投票で1位になったり、TimのFacebookでもリクエストが多かったので、特別に披露してくれたのである。ファンを大切にするTimらしい。

しかし、別の意味もある。実は、1st収録のこの曲は深い因縁がある。Dizzyの幻の3rdに収録するつもりで作った曲の一つで、あまりに挑戦的な曲なため他のメンバーに反対され、それをきかっけにDizzyが解散への道を転がり落ちていったのだ。いわば負の象徴であり、歌詞も陰鬱である。実際、この曲だけはTimの憎悪の感情が渦巻いているのを感じた。明らかに異質なのはそのためか。これをDizzyが葬られたこの地で、新しいメンバーとともに演奏した意義は、あまりにも大きい。

つまり、Tim Christensenというナイーヴな少年が、時間をかけて自らの傷付いた心身を音楽によって修復し、やがてタフな大人の男となり、かつて対立した盟友と和解し、また新たな仲間の力を借りて生まれ変わったことの証明に他ならない。Timのドラマティックな人生の縮図、ファンタスティックな音楽センスの結晶が、この1曲にあると言っても過言ではないだろう。次はいつ聴けるかわからないが、今はこの曲をこの場所で聴けたことを、ただただ幸せに思うだけである。ちなみに、Dizzyの成功から挫折、解散からソロ再始動にいたる真実は、Dizzyの再結成ライヴCD+DVD「Live In Concert」のボーナスフィルム「Lost Inside Dream」に記録されている。メンバーや関係者の貴重なインタビューは衝撃を受ける内容も多い。これを見れば、Dizzy再結成やソロ初来日がさらに深いレベルで感動できるであろう。ファンは必見だ。

私の頭の片隅では、いまでも「Caterpillar」が繰り返し鳴り続けている。
この「毛虫」がなかなか追い出せない。
困ったような、でも嬉しいような、そんな複雑な気分だ。

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◆SETLIST
1. Never Be One Until We're Two
2. How Far You Go
3. Barbedwired Baby's Dream (Dizzy Mizz Lizzy song)
4. Sooner Or Lator
-----------------------------------------
5. Surfing The Surface
6. Superior
7. India
8. Wiser
9. Love Is a Matter of...
11. The Damn Crystals
12. Happy Ever After
13. Suprise Me
14. Waterline (Dizzy Mizz Lizzy song)
-----------------------------------------
15. Right Next To The Right One
16. Live and Let Die (Paul McCarteny & Wings cover)
17. Caterpillar
18. Whispering At The Top Of My Lungs

※次回は最終日、東京SHIBUYA-BOXXでのライヴレポートを掲載します。お楽しみに!


CLUB CITTA' PRESENTS
「TOUR 2012」

ティム・クリステンセン&
ザ・ダム・クリスタルズ 
from デンマーク

2012年
10月5日(金)
会場:心斎橋soma
OPEN 18:00 / START 19:00
【オールスタンディング】
◆主催:ミューベンツ・ジャパン
◆INFO:Kyodo Information 06-7732-8888

10月6日(土)
会場:CLUB CITTA'
OPEN 17:00 / START 18:00
【全席指定】600席特別限定
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

10月7日(日)THANK YOU SOLD OUT!!
会場:SHIBUYA-BOXX
OPEN 16:00 / START 17:00
【オールスタンディング】
◆主催:bayfm78「POWER ROCK TODAY」
◆INFO:CLUB CITTA' 044-246-8888

前売:¥ 6,000-(税込)
※入場の際にドリンク代\500が必要となります。

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Superior - 'Tim Christensen'

Whispering At The Top Of My Lungs - 'Tim Christensen'

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2012年10月18日 22:01に投稿されたエントリーのページです。

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